朝食を済ませ、聞いてみた・・「寅さんは・・?」
「寅さんは、今朝は早くお発ちになりましたよ」
「丹後半島の方に行くとかで・・・・」
遅かったか・・・寅さんにお金を借りようと思ったのに。
「あのー 女将さんに相談があるんですけど・・」と僕は小さな声で女中さんに言った・・・
1階への階段を急いでおりた!
受付には女将さんの姿はなく、 奥の部屋で帳簿をながめていた・・・
「ごめんなさい」
僕は床にぺたりと頭をつけてあやまった
「あらあら、お客さんどうしました? 頭を上げてくださいよ」
「実は、宿泊代が払えません・・・今朝、財布を何処かに
落とした事に気がついて・・この旅館で雇ってください」
「宿泊代は働いて返しますから・・」
「それはお困りですね、宿泊代は今度来た時にでも払ってくださいな」
女将さんはそういって、引き出を開けて「お金が一円も無いのも困るでしょう」と、
2万円を貸してくれた。
「ありがとうございます。なんていったらいいのか このお金は必ず返します!!」
何度も何度もお礼を言って旅館をでた、元の時代に戻る手がかりを探さなくては・・